遺言書を作成した方が良いケース

「遺言書は必ず作成しないといけないの?」

遺言書は絶対に作成しないといけない書類ではありません。

実際に、遺言書を作成していない方はたくさんいらっしゃいます。

ただし、遺言書がないために遺産の整理が長期間となり、裁判所での手続きや弁護士への依頼が必要になるケースもあります。

以下のような場合は、特に遺言書の作成をおすすめします。

  • 子供がいない夫婦
  • 独身の方
  • 先妻の子や後妻の子がいるなど親族関係が複雑な方
  • 行方不明の相続人がいる方
  • 相続人以外の特定の方に財産を遺贈したい方
  • 財産を相続させたくない相続人がいる方

では、上記のような場合に遺言書をおすすめする理由をご案内します。

 

① 遺言書があれば遺産を分ける協議が不要になる

■ 子供がいない夫婦 の場合

相続人になるのは、亡くなった方の配偶者(夫または妻)と亡くなった方の親です。

亡くなった方の両親が先に亡くなっている場合は、配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹です。

つまり、相続人が配偶者と義親、または配偶者と義理の兄弟姉妹となるのです。

義理の親や兄弟姉妹と遺産を分ける話し合いをしなくて済むのであれば、遺言書を作成しておいた方がいいのではないでしょうか。

 

■ 独身の方 の場合

独身の方が亡くなった場合、相続人となるのは親で、親が先に亡くなっている場合は兄弟姉妹です。

相続人が親となる場合は心配はないかもしれませんが、兄弟姉妹となる場合、さらに先に亡くなっている兄弟姉妹がいて甥や姪が相続人になる場合には、あまり交流のない親族間で遺産を分ける話し合いをする必要が生じてしまします。

そのような場合も遺言書があれば、話し合いをすることなく相続のお手続きをすることが可能です。

 

■ 先妻の子や後妻の子がいるなど親族関係が複雑な方 の場合

先妻の子、後妻の子がともに相続人になるので、遺産を分ける話し合いをすることが困難な場合が多く、連絡先すらわからない場合もあります。

そのような場合でも、遺言書があれば遺産を分ける協議が不要で、基本的に相続人同士が関わることなく相続のお手続きをすることが可能です。

 

■ 行方不明の相続人がいる方 の場合

相続人の中に行方不明の方がいれば、相続人全員でする必要がある話し合いができません。

そのために、不在者財産管理人の選任や失踪宣告を家庭裁判所に申立てをしないといけない場合もあります。

遺言書がを作成しておけば、遺産を分ける協議が不要になるので、行方不明の相続人が関わることなく相続のお手続きをすることが可能です。

 

② 相続人以外の方(孫、事実婚の妻や夫など)に財産を残すことができる

■ 相続人以外の特定の方に財産を遺贈したい方

遺産を相続することができるのは、法律で定められた相続人です。

ただし、相続人以外の方に遺産を「遺贈」する内容の遺言書を作成すれば可能になります。

相続人以外の親族、事実婚の妻や夫、世話になった知人などに遺産を残したい場合は、特に遺言書を作成する必要があると言えます。

(生前に贈与する方法もあります、あわせて検討ください。)

 

■ 財産を相続させたくない相続人がいる方

遺言書がない場合は、遺産を分ける方法や割合を相続人に任せることになりますが、遺言書があれば、財産を自身が希望する内容で相続人に残すことができます。

もしも、自身の財産を相続させたくない相続人がいる場合や、特にたくさんの財産を相続させたい相続人がいる場合には、遺言書を作成して、財産を希望する相続人に残すことが可能になります。

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